キャッシュレスの動きが加速しています。それを後押しするのは2019年10月からの消費税増税です。消費税が10%に引き上げられ消費が落ち込むことを避けたい政府は、キャシュレス決済の消費に対し、5%のポイント還元することでキャッシュレス化を推し進めたい考えを発表しました。そこで、より快適なスマートフォンライフを創造するために研究調査しているスマートサウンドラボ(以下、SSL)では、全国の20代〜50代の男女100人を対象に、キャッシュレス社会に対する意識調査を実施しました。
「キャッシュレス社会がやってくると思いますか?」の問いに、58.8%の人が10年以内に、17.5%の人が10年より先にキャッシュレス社会になると回答しました。つまり、全体の75%の人がキャッシュレス社会は近い将来やってくると実感しているのです。しかし、「キャッシュレス社会になって欲しいと思いますか?」の問いには、「なって欲しい」と回答した人は全体の28.2%で、33%の人が「なって欲しくない」、38.8%の人が「わからない」と回答しました。「なって欲しくない」人が「なって欲しい人」を上回った結果となりました。「キャッシュレス社会はやってくると思うけど、本当はきて欲しくない」と3人に1人が思っているのです。
(SMART SOUND LAB調べ)
キャッシュレスに立ちはだかる不安の正体
消費者がキャッシュレス社会に対し後ろ向きの理由を探るため、SSLは「キャッシュレス社会の中で、実は不便なのでは?と感じること」についてさらに調査を進めました。その結果、一番多かったのが、「震災の時など、電気が使えない時などが不安」で54.5%。次に多かったのが、「なりすましなど、セキュリティが不安」で42.7%。次いで、「個人情報の流出が心配」で40.8%でした。地震や豪雨など自然災害が多い日本では、災害時の対応は課題の一つです。先日北海道の地震に伴う大規模停電では、電子マネーをはじめクレジットカードが使えない、現金を引き出そうにもATMが使えないといった事態が起こり、キャッシュレスの脆弱性が浮き彫りになりました。さらには、なりすましや個人情報流出など、セキュリティについても対策が求められています。11月4日の産経新聞は、クレジットカードの番号や暗証番号などの情報が盗み取られ、不正に利用された被害額が前年比の2倍となる177億円となり、過去最多を記録したと報じています。これらの結果を受け、SSL所長の安田は「30〜40代の働きざかり世代がキャッシュレス社会の到来にネガティブな印象を持っているということが調査で判明した。キャッシュレス社会を実現するには、彼らの不安材料をなくすことが急務」と話します。
(SMART SOUND LAB調べ)
まとめ
- キャッシレス社会がやってくると75%以上が予想している。
- 実際にキャッシュレス社会を待ち望んでいる人は28.2%で、「なって欲しくない」人は33.8%だった。「なって欲しくない」人が「なって欲しい人」を上回った結果となりました。
- 「キャッシレス社会で不便だと思うこと」について1位が「震災時の不安」、2位が「なりすましの不安」、3位が「個人情報流出の不安」だった。
- 自然災害が多い日本における停電時の対応とセキュリティ対策が、キャッッシュレス社会の最低条件である。