PayPayの「100億円キャンペーン」、LINE Payの「300億円キャンペーン」など、スマホ決済サービス各社が様々なキャンペーンやプロモーションで顧客獲得に励んでいます。"ばらまきキャンペーン"など揶揄されることも多いですが、実際にキャンペーンはユーザーにどのような影響を及ぼしているのでしょうか。株式会社スマート・ソリューション・テクノロジー(本社:東京都新宿区/代表:山川進)が運営する、より快適なスマートフォンライフを創造するために研究・調査しているスマートサウンドラボ(以下、SSL)は、2019年1月に実施した「スマートフォン決済に関する調査」の後追い調査を2019年6月4日に実施しました。日常的にスマホ決済を利用している全国の10代〜60代の男女206人を対象に調査し、キャンペーンとの相互関係について検証しました。
新規顧客を大幅に獲得したのはPayPayとLINE Pay
現在利用しているスマホ決済についてたずねたところ、この5ヶ月で顧客数が顕著に増加したのは、PayPayとLINE Payであることがわかりました。PayPayは「現在、利用している」と回答した人は、2019年1月の調査では27.2%だったのが、2019年6月には43.2%に増加し、LINE Payは同じく1月の20.9%から6月の36.4%に増加したことがわかりました。
また、各社のキャンペーンの利用状況、さらにはキャンペーンがユーザーの行動にどのような影響を及ぼしているのかについて調査したところ、「キャンペーンを利用し、現在も利用中」と回答した人は、PayPayは69.9%から73.8%に、LINE Payも55%から80%に増加したことがわかりました。
PayPayとLINE Payはキャンペーンによって新規顧客獲得に成功したと言えるでしょう。
2019年1月の調査結果リリースはこちらです。https://smartsoundlab.com/2019/02/000049.html
キャンペーン後もサービスを継続しているのか?単なるキャンペーン目当てなのか?
新規顧客を獲得しても、キャンペーン目当ての短期的な顧客ではキャンペーンが成功したとは言えません。キャンペーン終了後の動向についても注目してみましょう。「キャンペーン後にサービスを止めた」と回答した人の割合で見てみると、PayPayは2019年1月の調査では16.4%だったのが、2019年6月の調査では13.1%に減少し、LINE Payは同じく1月の20%から6月の4.8%と大幅に減少したことがわかりました。PayPayとLINE Pay以外のサービスはどうでしょうか。自社でキャンペーンをおこなっている11サービスの中で、キャンペーン終了後にサービスの利用をやめた人が増えたのはnanocoモバイルだけで、それ以外は離脱率が減少したことがわかりました。
また、同調査で決済サービスをどのように使い分けているかについてもアンケートを取ったところ、一番多かった回答が「利用できる店舗が違うので、お店ごとに使い分けている」で68.1%でした。次に多かった回答が「各社のキャンペーンがあるので、その時々でお得と感じるほうを使っている」で58.3%でした。 この結果に対しSSL所長の安田は「キャンペーンを利用し、キャンペーン終了後も継続してサービスを利用していることがこの調査でわかり、キャンペーンの有効性が明らかになりました。しかし、ユーザーが増えても、加盟店が少なければスマホ決済サービスは使われることはありません。つまり、決済事業者はユーザーと加盟店を同時に増やす必要があります。今後も様々なキャンペーンや、連携・提携といった顧客/加盟店争奪戦が展開されるでしょう」と見解を述べています。
(SMART SOUND LAB調べ)
まとめ
- キャンペーンによって新規顧客を獲得しているのはPayPayとLINE Payだった
- ユーザーはキャンペーン終了後もサービスを継続して利用していることがわかった
- ユーザーは複数のキャンペーンを利用し、利用できる店舗で各サービスを使い分けていることがわかった
- 新規顧客の獲得、サービスの継続性においてキャンペーンの有効性は明らかになった
- 決済事業者は今後も、ユーザーだけでなく、加盟店の獲得によってインフラを整える必要があり、キャンペーンや連携・提携など様々な展開が予想される
SMART SOUND LAB記事の引用について
SMART SOUND LABの記事の引用については自由ですが、出展元としてかならずSMART SOUND LABを明記していただくようお願いします。また、ウェブ媒体、メールマガジンなどでの引用の際は、SMART SOUND LABトップページ(https://smartsoundlab.com/)へのリンクか、引用記事へのリンクをお願いします。
【スマートフォンによる決済サービス利用者の実態把握調査】
調査主体:SMART SOUND LAB
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:日本全国の10代〜60代の男女206人
調査時期:2019年6月4日〜5日
※ 本文の数値は四捨五入した整数で表記しています。
※ 百分率表示は四捨五入の丸め計算をおこなっており、合計が100%とならない場合があります。