より快適なスマートフォンライフを創造するために研究・調査しているスマートサウンド・ラボ(以下、SSL)は、消費増税を間近に控えた9月初旬に『10%増税でのキャッシュレス決済促進に関するアンケート調査』を実施しました。
消費増税によって消費の冷え込みを避けたい政府は、キャッシュレスで支払った決済金額の一部をポイントで還元する施策を打ち出しました。そこで、全国の10代〜60代の男女206人を対象に、現在(消費増税前)の決済方法や消費増税後の決済方法について、また、消費増税時での政策についてどう思っているかなどを独自に調査したところ、消費者の本音が明らかになりました。
以下に調査結果をご報告します。
現金主義はすでにマイノリティ? 増税後、キャッシュレスがさらに増加の兆し
【Q1:あなたは現在、日常的にキャッシュレス決済を利用していますか?(いくつでも)】に対し、一番多かった回答が「している(クレジットカード)」で85.4%でした。「している(プリペイドカード)」55.8%、「している(スマホ決済)」35%と続きました。「していない」と回答した人はわずか8.3%で、約92%の人が日常的にキャッシュレス決済を活用していることが判明しました。
さらに、現在の決済方法と増税後の決済方法の予定について調査したところ、増税後に「すべてキャッシュレスにする」と回答した人が19.4%、「キャッシュレスを増やす」と回答した人が57.7%と合計77.1%の人が消費増税を機にキャッシュレス決済を増やす傾向にあることがわかりました。
また、この設問で興味深いデータも明らかになりました。現在の支払いが「割とキャッシュレス」か「ほぼ現金か」の割合で見てみると、「割とキャッシュレスで支払っている人」は75.3%で、「ほぼ現金で支払っている人」は24.7%と、キャッシュレス派が現金派の3倍と、すでにキャッシュレスが主流になっていることがわかりました。
【Q4:今年10月より、消費税が、現在の8%から10%に上がります。10月以降の支払いを「キャッシュレス化」することで決済金額の一部(2%もしくは5%)が《キャッシュバック・ポイント還元》されます。この10月を機会に《キャッシュバック・ポイント還元》の対象店舗では、キャッシュレス払いに変えてみようと思いますか?】という問いに対しては、77%の人がキャッシュレス決済をこれまでより積極的に使おうと考えていることがわかりました。
続いて、この「キャッシュレス決済をこれまでより積極的に使おうと思っている」77%の回答者に対して【Q5:あなたが消費増税後にキャッシュレスで支払いを増やした場合、どのような決済サービスを利用すると思いますか?(いくつでも)】と聞いたところ、「クレジットカード」と回答した人が、87.4%、「プリペイドカード」と回答した人が57.9%、「スマホ決済」と回答した人52.2%という結果になりました。
一番使われる決済手段がクレジットカードであることは、消費増税前後で変化はありませんでした。しかし、「現在の手段」と「増税後の手段(予定)」で比較すると、クレジットカードが102.2%アップ、プリペイドカードが108.2%アップに対し、スマホ決済は143%アップと伸び率が一番大きいことがわかりました。消費増税後はスマホ決済がクレジットカードに次ぐキャッシュレス第2の決済手段になりそうです。
次にキャッシュレスで支払う機会についての調査結果をみてみると、「スーパーマーケット」、「コンビニエンスストア」「レストラン・食堂などの飲食」「ドラッグストア」の順に多く、特に日常生活の中でキャッシュレス化が進むことが考えられます。
また、少数派ではありますが全体の23.9%を占めるキャッシュレス反対派に、「キャッシュレスでの支払いを増やさない理由」についても聞きました。一番多かった理由は「これまでのやり方で特に不満がないから」で59.6%。次いで「セキュリティが不安だから」で34%、「現金は使いすぎることがないなど、現金ならではのメリットがあると感じているから」で27.7%でした。それ以外は、「アプリを入れる行為が面倒」「カードを申し込むのが面倒」「新しい操作を覚えたくない」などの理由が挙げられました。
「ポイント還元でキャッシュレス」は良いアイデア?消費者の本音とは
今回の消費増税時のポイント還元策についても消費者の本音に調査で迫りました。
消費増税後、キャッシュレスで支払いをすることで決済金額の2〜5%がポイント還元されることを知っているか聞いたところ、87.4%の人が「知っている」と回答しました。
しかし、この「ポイント還元(またはキャッシュバック)」の措置がいつまで続くか」について聞いたところ、「知っている」と回答した人は31.7%にとどまり、「知らない」と回答した人は68.7%に及びました。
また、このポイント還元についてどう思うか聞いたところ、43.2%が「良いアイデアだと思う」と回答しました。「悪いアイデアだと思う」は11.7%と少なく、「どちらとも言えない」と回答した人は42.2%という結果に。
「良いアイデア」と回答している人を年齢別でも見てみました。20代〜30代が若干数多いですが、さほど顕著でもなく、どの年代も「ポイント還元策」については好意的に思っていることがわかりました。
また、この「ポイント還元策」でキャッシュレス化が浸透すると思うか聞いたところ、「浸透すると思う」と回答した人は36.4%、「浸透しないと思う」と回答した人は28.6%、「わからない」と回答した人は35%でした。
Q9で回答した理由についてフリーアンサーで聞いたところ「浸透する」と回答した人の中で一番多い理由が「お得だから・使わないと損だから」で、半数以上が同じ回答でした。やはり、ポイント還元やキャッシュバックは消費者にとって魅力的であり、キャッシュレス化へのモチベーションになっているようです。
逆に「浸透しないと思う」と回答した人の中で多い回答が「高齢者が使えないと思う」と「現金主義者が多いから」でした。
この結果を受けてSSL所長の安田は「調査結果にも出ているように増税前の時点でキャッシュレス派が現金派を超えている状況です。消費者の中ではキャッシュレスはすでに浸透していることが明らかになりました。スマホ決済に関して言えば高齢者には新しいものでハードルが高いかもしれませんが、クレジットカードや交通系のプリペイドに関しては全年代で既に利用されています。さらに浸透するかは措置が終了した後や、手数料が通常通りに発生した時の事業者側のインフラ次第」と分析します。
また、増税を機にスマホ決済を使う人たちはどのような人たちかについても調べてみました。その結果、「割とキャッシュレスで支払いをしているが、今回を機に、もうすべてキャッシュレスに変えてみよう」、 と「割とキャッシュレスで支払いをしているが、今回を機に、もう少しキャッシュレスを増やしてみようと思う」を選択している人たちであることがわかりました。つまり、今後スマホ決済を利用しようという人たちは、すでにキャッシュレスで生活しているいわば「キャッシュレス先進層」。キャッシュレスを志向する人たちは、よりキャッシュレスになる傾向になることでがわかりました。
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【10%増税でのキャッシュレス決済促進に関するアンケート調査】
調査主体:SMART SOUND LAB
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:日本全国の10代〜60代の男女206人
調査時期:2019年9月2日〜3日
※ 本文の数値は四捨五入した整数で表記しています。
※ 百分率表示は四捨五入の丸め計算をおこなっており、合計が100%とならない場合があります。